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当サイトに散りばめられたキーワードの数々をご紹介

【 KEYWORDS: 五十音順 】

AKIRA / アニマトリックス / 永久家族 / 音響生命体ノイズマン / カウボーイビバップ / クレヨンしんちゃん / 週間ユアサ / スタジオジブリ / 田中達之 / ちびまる子ちゃん / 中島哲也 / ねこぢる草 / ハイブリッドアニメーション / THE八犬伝[新章]第4話 / 原 恵一 / Production I.G / 本郷みつる / MEMORIES / 森本晃司


【『AKIRA』】

   若者に圧倒的人気を得た傑作コミック『アキラ』を、原作者の大友克洋自身の監督で 1988年にアニメーション映画化。なかむらたかし、森本晃司、井上俊之といった天才アニメーターたちが結集し、ハイクオリティな映像化を実現した。当時、『となりのトトロ』('88)の制作担当をしていた田中栄子は、ジブリのスタッフを「スタジオ猫の手」として応援に回し、翌年のジブリ作品『魔女の宅急便』('89)では『AKIRA』組を助っ人に引き入れた。この時に築いた交流が、STUDIO 4℃の立ち上げと大作『MEMORIES』の制作に繋がっていくのである。



【『永久家族』】

   1997年にCM枠で放映された、30秒×53話の連作短編アニメーション。とある近未来都市を舞台に、人気番組「永久家族」のために寄せ集められた疑似家族の愛と絆、冒険と破局を、ハイテンションかつ高密度に描く。田中達之も演出と作画で参加。STUDIO4℃=森本晃司監督による傑作の一つ。



【『音響生命体ノイズマン』】

   STUDIO4℃とバンダイビジュアルが1997年に制作した短編アニメーション。人々から音楽を奪い、街をノイズで支配する怪物ノイズマンと、音楽の実によってノイズの呪縛から解き放たれた少年少女たちの戦いを描く。監督はSTUDIO4℃を代表するクリエイター、森本晃司。キャラクターデザイン・世界観設定・作画監督に湯浅政明を起用し、かつてない色彩感覚と造形センスでアニメーションに新風を吹き込んだ。疾走感溢れる音楽を手掛けたのは菅野よう子。当初からDVD化を想定して作られ、映像と音響の両面にデジタル技術を大幅に導入したことでも話題を呼んだ。わずか15分という短さながら、スピーディな展開と魅力的なビジュアルで熱狂的なファンを獲得し、カルトムービー化。昨年、公開から7年を経て待望の限定版DVDがリリースされた。



【「週刊ユアサ」】

   マニアックなアニメサイト「WEBアニメスタイル」(http://www.ntv.co.jp/ghibli/web-as/)での湯浅政明による連載コーナー。同氏が手掛けた作品の貴重なイメージボードや、書き下ろしのイラストを毎週1点ずつ掲載。



【スタジオジブリ】

   言わずと知れた日本で最も有名なアニメプロダクションである。『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』('01)など、数々の名作や国民的ヒット作を世に放ち、世界にその名を轟かす。STUDIO4℃プロデューサーの田中栄子は、かつてジブリで制作担当として『トトロ』『魔女の宅急便』に参加していた。この時期に森本晃司らと出会い、STUDIO4℃創立へと至るのである。また、湯浅政明は高畑勲監督作品『ホーホケキョ となりの山田くん』('99)に原画として参加している。



【「ちびまる子ちゃん」】

   さくらももこによる人気コミックが原作の国民的TVアニメ番組。アニメーション制作は日本アニメーション。湯浅政明は本編の作画や絵コンテ、そして初期のオープニングとエンディング、アイキャッチなどを手掛けた。湯浅作画の独特の線と、伸びやかでファンタジックなイメージは、強く印象に残った人も多いのではないだろうか。劇場版2作目『ちびまる子ちゃん わたしの好きな歌』('92)では、ミュージッククリップ風シークエンス「買い物ブギ」「1969年のドラッグレース」を担当している。



【『ねこぢる草』】

   故・ねこぢるのコミックを原作に、『ちびまる子ちゃん』『機動戦艦ナデシコ』の佐藤竜雄監督が、湯浅政明を演出・脚本・作画監督に迎えて作ったオリジナルアニメーション。可愛いねこの姉弟が、死神に奪われた魂の半分を求めて、幻想世界を旅する。奇妙なキャラクターが次々と登場し、シュールでグロテスクなイメージが詩的に綴られ、過去の湯浅作品にはないダークなイマジネーションが全編に横溢する。熱に浮かされて悪夢を見ているかのようなトリップ感覚に襲われること請け合いの、濃厚な作品である。アニメーション制作は『あずまんが大王』『R.O.D 一THE TV一』のJ.C.STAFF。



『THE八犬伝[新章]』 第4話

   1994年に発表されたOVA『THE八犬伝[新章]』第4話「はまじ再臨」は、アニメファンにとってまさしく事件であった。湯浅政明が作画監督を務め、演出を担当したのは『千と千尋の神隠し』『フリクリ』('00)『キル・ビル/Vol.1』('03)のスーパーアニメーター、大平晋也。その表現の斬新さ、インパクトの強さは凄まじく、ストーリーを追うことすら忘れてしまう。かつてない程に生々しい人物の動きが描かれ、キャラクターも商業アニメらしいキャッチーさを削ぎ落とした写実的なもの。アニメ表現の一つの極限を見るなら、これ。



【原恵一】

    シンエイ動画生え抜きの演出家。『ドラえもん』『エスパー魔美』などの演出を手掛けた後、TV『クレヨンしんちゃん』に参加。劇場版シリーズでは本郷監督を演出としてサポートし、5作目から監督を引き継ぎ、2代目シリーズディレクターとなる。21 世紀最初の年に過去への郷愁を真正面から謳った9作目『嵐を呼ぶモーレツ! オトナ帝国の逆襲』 (01) は、高年齢層の間で大きな話題を呼び、インテリ層からの注目を一気に集めるきっかけとなった。この作品で湯浅政明はすでに『クレしん』には参加していないが、『マインド・ゲーム』には同作に通じる20 世紀へのノスタルジアが重要なモチーフとして描かれている。



【本郷みつる】

   湯浅政明と同じく亜細亜堂出身のアニメ監督。TV『クレヨンしんちゃん』の初代シリーズディレクターを務め、劇場版4本の監督も手掛けた。劇場版第1作で設定デザインに湯浅政明を抜擢し、デザイナーとしての才能を開花させたのもこの人。本郷、湯浅、そして演出の原恵一という三者の志向が最もバランスよく表れた作品が、3作目『雲黒斎の野望』 (95) であろう。以降も主要スタッフとして彼を起用し続け、後に監督を手掛けたTVアニメ『カスミン』 (01) でもセットデザインに招いた。湯浅が監督を務めた2本の短編では、監修を担当している。



【森本晃司】

   ミュージッククリップ「EXTRA」の映像で世界的に知られ、国内はもとより海外で圧倒的に評価が高いアニメーション監督。かつては『SPACE ADVENTURE コブラ』('82)『SF新世紀 レンズマン』('84)『未来警察ウラシマン』などで敏腕アニメーターとして活躍していたが、徐々にアニメーション作家への道を歩み始めた。『ロボットカーニバル』『AKIRA』『魔女の宅急便』などに参加した後、田中栄子の協力で「STUDIO4℃」を設立した。『MEMORIES』や『音響生命体ノイズマン』、『永久家族』、『アニマトリックス』「BEYOND」など多彩な作品群を監督し、プロモ映像、CF、連作短編アニメ、フルCGアニメなど、フォーマットにこだわらない自由なスタンスでその力量を見せている。本作『マインド・ゲーム』では、本編映像をリミックスしたミュージッククリップ等を収録したスペシャルDVD『MIND GAME;REMIX』を制作。

【『アニマトリックス』】

   1999年の大ヒットSFアクション『マトリックス』のラリー&アンディ・ウォシャウスキー監督が、続編『マトリックス・リローデッド』('03)へと繋がるサイドストーリーとして企画したアンソロジーアニメーション。ジャパニメーションに多大な影響を受けたと語るウォシャウスキー兄弟のたっての願いで、国内からはアニメーション制作に『獣兵衛忍風帖』のマッドハウスと、STUDIO4℃が参加。映画版と同じ世界観で描かれた9つのエピソードで構成され、各パートを異なるクリエイターが演出する競作スタイルで作られた。田中栄子が作品全体のプロデューサーに立ち、全9エピソードのうち5作品をSTUDIO4℃が制作。監督は前田真宏、渡辺信一郎、そして森本晃司。マッドハウスからは川尻善昭と小池健がそれぞれ1作品ずつ監督した。



【『カウボーイ ビバップ』】

   2071年を舞台に、広大な宇宙を股にかけた賞金稼ぎ「カウボーイ」たちの姿を描いた物語。監督は『マクロスプラス』('95)の渡辺信一郎。クールなビジュアルと、渋みの効いたストーリーの魅力もさることながら、見事なまでに映像とマッチした音楽演出がアニメファンのみならず多くの観客を魅了した。作曲を担当したのは菅野よう子。既存のジャンルにとらわれることのない奔放な作曲スタイルは、まさに天賦の才によるものといえよう。アニメーション制作は『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』『天空のエスカフローネ』のサンライズ第2スタジオが手掛け、この作品の終了後、同作の主力スタッフを中心に制作会社ボンズが組織された。



【『クレヨンしんちゃん』】

   臼井義人のマンガが原作の大ヒットTVアニメ。1992年の放映開始されて以来、現在に至るまでその人気は衰えていない。また 1993年からは毎年劇場版が制作され、これまで 12本の作品が公開されている。アニメーション制作は『ドラえもん』などでお馴染みの老舗、シンエイ動画。湯浅政明はTV版に原画で参加し、作画監督やオープニングなども担当。劇場版第1作『アクション仮面 VS ハイグレ魔王』では設定デザインを手掛け、以降、本郷みつる監督の4作品、原恵一監督の4作品に、重要な役職で関わり続けた。4作目『ヘンダーランドの大冒険』('96)での、コンテから手掛けたクライマックスの追っかけシーンは、もはや伝説である。最新作『嵐を呼ぶ夕陽のカスカベボーイズ』('04)では4年ぶりに原画として湯浅の名前がクレジットされた。また、TVスペシャル枠で放映された「ぶりぶりざえもんの冒険」シリーズでは、脚本・絵コンテ・作画監督を務め、劇場版での仕事を上回る濃厚な湯浅テイストを炸裂させている。本作のキャラクターデザイン・総作画監督を務める末吉裕一郎も、『クレしん』を支える中核スタッフの一人だ。



【田中達之】

   STUDIO4℃の主要クリエイターの一人で、イラストレーターやマンガ家としても熱狂的な支持を得ている。『AKIRA』で原画デビューした後、密度の高いインパクト抜群の作画を数々手掛け、『ふしぎの海のナディア』('90)や『Green Legend 乱』('92)ではイメージボードを担当。独特の緻密な世界観が注目を集めた。STUDIO4℃では『永久家族』やCM演出などに携わり、近年は初の完全オリジナル監督作『陶人キット』の制作に着手。「マインド・ゲーム」発表当時、スタジオ内部で熱狂的な反応を示した一人であり、田中栄子プロデューサーが原作を読んで映画化を決めた時も、森本監督と共にその場に立ち会っていた。



【中島哲也】

   CM演出の鬼才として広く知られる一方、プロモビデオ、映画と幅広く活躍する映像作家。超スローモーションで山崎努と豊川悦司が激闘を繰り広げる「サッポロ黒ラベル 卓球編」など、数々のヒットCMを生み出した。1997年に初長編映画『夏時間の大人たち』を監督し、映画『ビューティフル・サンデー』('98)、TV『私立探偵 濱マイク/ミスターニッポン〜21世紀の男〜』('02)などドラマ演出もこなす。『マインド・ゲーム』の実写パートは同氏のクルーが担当している。STUDIO4℃とは、JRAやNTT東日本のSMAP主演によるガッチャマンといったCM制作時からの付き合いで、STUDIO4℃チームからの信頼も厚い。最新映画『下妻物語』のアニメパートはSTUDIO4℃チームが制作。これまで手掛けた3本の映画作品の音楽は菅野よう子が担当している。



【ハイブリッドアニメーション】

   2004年は劇場アニメ大作の当たり年。『イノセンス』『スチームボーイ』『ハウルの動く城』と、押井守、大友克洋、宮崎駿という三大監督の作品が初めて同じ年に公開されるという、アニメ史においてもかなり重要な1年となるはずだ。ジャパニメーションという言葉が一般化した今、国内はもとより世界からの注目度も非常に高い。一方で、人形アニメや切り絵アニメといった、商業アニメとは違う手法で作られたアートアニメーションが、ミニシアター系で多くの観客を集めている。同時に起こっていながらリンクすることのなかったこの2つのムーブメントを、『マインド・ゲーム』が結びつける。2Dと3Dと実写が混在し、エンターテインメント作品でありながら優れたアートである本作は、自由奔放かつハイクオリティな映像を追求するSTUDIO4℃ならではのボーダレスな作品であり、全く新しいかたちの「ハイブリッドアニメーション」である。



【Production I.G】

   タツノコプロ出身のプロデューサー、石川光久を代表に1987年に設立したアニメプロダクション。押井守監督の『機動警察パトレイバー』劇場版2作、ならびに『GHOST IN THE SHELL 〜攻殻機動隊〜』('95)でのハイクオリティな作画で広く世に知られた。その後も『BLOOD THE LAST VAMPIRE』('00)『フリクリ』など、見応えある話題作を次々とリリースし、昨年は『キル・ビル/Vol.1』のアニメパートを手掛けて話題を呼んだ。2004年は今石洋之監督の『DEAD LEAVES』、3年越しの超大作『イノセンス』という2本の劇場作品を立て続けに公開。STUDIO4℃と並んで、最も世界からの注目を集めるプロダクションの一つである。湯浅政明はI.Gで2本の短編アニメーションを監督。1本はTVシリーズ用のパイロットフィルム『なんちゃってバンパイヤン』(後に「バンパイヤン・キッズ」というタイトルで番組化)、そしてもう1本はイベント用の短編『スライム冒険記 海だ、イェ〜』。残念ながら観る機会は少ないが、これまた湯浅テイスト溢れる快作である。



【『MEMORIES』】

   大友克洋原案のショートストーリー3編で構成された長
編オムニバスアニメーション。森本晃司、岡村天斎、大友克洋がそれぞれ1エピソードずつ監督した。STUDIO 4℃が手掛けた初の本格的な自社作品であり、最大級のプロジェクトとなった大作である。デジタル技術を大幅に導入し、それまで類を見ないビジュアルが話題を呼んだ。ちなみに湯浅監督は森本監督による第1話「彼女の想い出」がお気に入りだとか。


   


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